こんにちは！ナノムーンです。
ユニゾンスクエアガーデンの「fake town baby」は、血界戦線のアニメ2期のOP曲でした。
最近になって抽象的な表現への理解が深まったのか、久々に聞くと込み上げてくるものがあります。(*´ー｀*)
当時は理解しきれなかった歌詞の意味を改めて考察してみたいと思います。
まずは「血界戦線」のあらすじ
舞台は異界と人界とが交差して作られたヘルサレムズ・ロット。
かつてニューヨークと呼ばれた大都市であったが、今では異界の者と人間が共存する「地球上で最も剣呑な緊張地帯」である。
主人公レオナルド・ウォッチは平凡な青年であったが、ある事件をきっかけに、すべてを見通す「神々の義眼」を持ってしまったため、この街の均衡を守るために活動する秘密結社ライブラと人類の脅威とされる吸血鬼との異能バトルに巻き込まれていく。
こんな滅茶苦茶な世界でどうやって生き抜いていくのかっていうのを解説しているのがOP曲である「fake town baby」となります。
歌詞が難解なので、意訳してみました。
この曲の主軸は「神様なんかアテにするな、甘えた根性じゃ生き残れないぞ」って話なんですが、言い回しが独特すぎて（特に英語）「え？どういう意味？」ってなることが多々あります。
I'm sane, but it's trick or treat?
I'm right, but it's truth certainly
Well then awesome! welcome to tragedy
Fake town, Fake town, baby?（原文）
冒頭のフレーズは最難関です。
私も意味分からなかったので、色んな人の意訳をみて、自分なりに考えてみました。
俺は正気だよ、ふざけたことばかりだって？
そんなこと、分かり切ってるだろ
今更気づいたって？それはお気の毒様
この街がイカれるのは、バカでも分かるだろ？
こんな感じかと思います。
前提として、この歌詞には語り部（町の住民）と対話相手（街について無知な人）の二人が存在しています。混沌とした街でパニックになる相手に、ベテラン住民ががルールを解説しながら煽っていくスタイルです。
trick or treat? っていうのが難解ですが、本来ハロウィンの原型であるサウィン祭りにでは「いたずらかお菓子か？」なんて可愛らしい選択ではなく、「生贄か呪い（死）か」という理不尽な二択であり、生贄を断るとその家は神官によって呪いを掛けられて村八分にされるという地域住民にとっては恐怖のイベントだったそうです。貴族は使用人を、平民は家族を泣く泣く送り出したそうです。
ここではどっちに転んでも理不尽な選択肢しかない状況に「ふざけるな！」と嘆いている相手（歌詞には表れていない対話相手）への返答として「いやふざけてないよ？」というニュアンスの意訳としました。
I'm right, but it's truth certainly ここも直訳だと（私は正しい、でもそれは確かに真実だ）と意味不明ですが、危機的状況において「こんなの嘘だろ！？」とパニックになる相手に対して、嘘じゃない、確かめるまでもない、揺るがない真実だろ、と突き放しているのかと思います。
Well then awesome! welcome to tragedy（じゃあすごいですね！悲劇へようこそ）
ここも直訳だと意味不明なのですが、歌詞で語られていない相手が「嘘だろ！」と驚愕している状況に対して、皮肉っぽく「何も知らずに来たのならそれは悲劇だね」と言ってるのかなと仮定しています。
fake town, っていうのは、偽の町だと言葉足らずなので、都市としての機能を果たしていない、秩序が壊滅的な街とか、バカげているとか、デタラメがまかり通る街、ってことだと思います。
そして、baby？ていうのは「お分かり？」とか「おバカちゃん？」「ぼくちゃん？」みたいな相手を見下すニュアンスでしょう（＾ν＾）
ほらいつからそう思っていたかわからなくなってる
せっかく勝てる準備してたのに 残念だな 騒々しくて
幸せになるパーセンテージ 忘れちまったよ（原文）
ここは語り手が街のことではなく自分の過去を憂いて唯一弱気になっている箇所だと思います。なのでここだけ異質に浮いていて何について語っているのか意味不明になっています。
ほらいつからそう思っていたかわからなくなってる、というのは、ごちゃごちゃ考えていると本質を見失ってしまう、という意味かと思います。
勝てる準備とは、人生の目標・目的でしょう。田淵さんのようなアーティストにとっては、神的な閃き、勘、曲に対する完成ビジョンも含まれると思います。
騒々しくて、というのは、危機的状況や他人のアテにならない声に振り回されている状況。物理的にというよりは頭の中がうるさいんでしょう。
幸せになるパーセンテージ 忘れちまったよ は、状況（金・売上・他人・プレッシャー）に振り回されてばかりいると、 本来の目的・何が幸せでどうなりたかったかを忘れてしまうって事かと。
まとめるとこんな感じ。
ごちゃごちゃ考えるなんて無駄でしかない
頭の中が騒がしいと、勝てる勝負も勝てないもんさ
ああ、ほら、勝算が飛んじまった
実はサビも難しい。
神様はいない 要らない いても 要らない
期待斜め45度
放っちゃう どうせ意識しても無駄なんだよ
前提享受して 走れ 進めそれで もしも叶っちゃうのならば
エゴイズム戦線 一着逃げ切り 運命だって所詮は君の手中さ（原文）
これも意味分かるっちゃ分かるけど、”放っちゃう どうせ意識しても無駄なんだよ” のとことか、「何を放っちゃうの？」って感じすよね。
ここはサレンダー（手放し）についての知識がないと理解が難しいですね。（＾＾；）
サレンダーの本質は奥深過ぎてちゃんと説明できるレベルではないのですが、
自分ではどうにもならない事件・事故・病気に巻き込まれたとき、小賢しい知恵（小我）でどうにかしようとせず、「自分が出来ることをすべてやるしかない」と腹を決めると、未来が開ける（大我が目覚める）。というものです。
私の尊敬するマドモアゼル愛先生も同じようなエピソードをお話されていました。
かつて先生が所有している山で火事を起こしてしまい、火が一気に燃え広がっていったそうです。それを見て「何億円という賠償金を払う羽目にななるぞ…ああ人生終わったな」という絶望と同時に「それでも、生きている限り出来るだけの補償の責任は取ろう、自分にできるのはそれだけだ」と足掻くのをやめた瞬間、火が瞬く間に消えていったそうです。結果、自分の土地の被害だけで済んだとのこと。
はじめから「大変な事になってしまった！神様どうか助けてください～」としていると、被害は拡大していただろうとのことでした。
小我を捨てて、大我に委ねる、というのが人知を超えた力、サレンダーの原理です。
矛盾するようですが、人知を超えた神の力は、神を頼らず自力で責任を取ろうとする者にしか目覚めません。
おそらく田淵さんはサレンダーの知識ではなく、自分の体験として似たような気付きがあったんだと思います。
だから「散々神を信じさせておいて、自己責任で生きている奴が神の力を得るなら、それは結局自分の力じゃないか」と皮肉めいて表現しているじゃないかな（＾＾；）
この矛盾の真相は、我々が宗教で学んでいる神は偽物なので、そちらを信じている限り本当の神（大我）は目覚めないし、そこに気付かせない為に宗教が発展したという闇の歴史があります。
これはまた別の回に解説する予定です。
「fake town baby」歌詞の意味、全文通し考察
UNISON SQUARE GARDEN「fake town baby」MV - YouTube
※下記は公式の解釈とは一切関係ありません。一個人の考察・意見ですので、あしからず。
俺は正気だよ、ふざけたことばかりだって？
そんなこと分かり切ってるだろ
今更気づいたって？それはお気の毒様
この街がイカれるのは、バカでも分かるだろ？
泣きわめいても無駄
一息ついてる暇もない
俺に対しても、君に対しても
このイカれた街は容赦しないんだ
ごちゃごちゃ考えるなんて無駄でしかない
頭の中が騒がしいと、勝てる勝負も勝てないもんさ
ああ、ほら、勝算が飛んじまった
ここに来てまだ神様をあてにしてるのか？
信用してた時期もあったけど、結局当てにならなかったね
自分で決めてここまで来たんだろ？
甘えるなよ
「嫌だやりたくない」だって、うるせえよ、黙ってろ
騒いだって誰も助けに来ない
もう後戻りできない、この勝負に乗るか降りるかだ
イカれた連中が集まってきた、さあ客の期待に応えようか、待たせたな
俺は正気だよ、ふざけたことばかりだって？
そりゃそうだろ、バカじゃねーの
今更気づいた？そりゃ悲劇だね
この街はイカれてんだよ、もう分かれよ？
どれだけ積み上げても一からやり直すなんて、しょっちゅうさ
それを分かってやるのが、一人前の漢だってさ
俺も君も、このバカげた勢いからは逃げられないんだ
いつまでも泣いてるだけじゃ、死を待つだけだろ
上手くいかない方が当たり前だって思ってな
ほら、次の勝負が来たぞ、構えろよ
君が持ってる常識は役に立たない、甘えは捨てろ
神様をあてにするな、期待したところで予想外の事しか起こらない
どうせ意識しても無駄なんだから、（希望も絶望も期待も）全部投げ出せ
今ここで与えられた条件を飲み込んで突っ走れ
それでどうにかなるなら、運命は神じゃなく、自分が決めてるってことだ
それが思い上がりだっていうなら上等だね
この世は嘘ばっかりで、なにが本当で嘘かすら確かめる術もない
それでもこの街を愛してるよ、愛してるんだ
未完成で反吐が出るほど嘘つきで良いとこなんて一つもないけど
死にたいなんて思う暇もないぐらいには魅力的だからさ
まだ神さまを信用してるの？いい加減にしとけば？
自分で決めて、ここまできたんだろ
どうすればいいかじゃない、どうしたいのかを自分で決めろよ
これ以上ゴタゴタ言ったらぶっ飛ばすぞ
くだらない奴は見向きもされないからな
俺も他人も生きとし生ける者すべて、何もかも巻き込んで楽しむのがこの街のルール
（この街に傍観者は要らない、油断してる奴には容赦しない）
もう後戻りはできない、この勝負に乗るか降りるか
天地がひっくり返るぐらいの大騒ぎだ、後悔するぐらいがちょうどいい
もう後戻りはできない、この勝負に乗るか降りるか
イカれた連中も乗ってきたってさ、勢いは最高潮に達した
さあ 勝ち筋は見えた、待たせたな
以上です～！
語り部は温厚な主人公のレオナルド君というより、ロクでもないけど頼れる先輩ザップをイメージしてます。（推しです）
