「FF7クライシスコア リユニオン」クリアした感想です(^^)
オリジナルFF7はプレイ済みで、FF7リメイクとリバースが気になりすぎるので、Swich版のクライシスコア(以下CC)から買ってみました!
ザックスの運命は知っていたから「わざわざ悲しい思いするためにゲームしたくないな~」とやる気なかったんですけど、リユニオン…めちゃくちゃ良かった…。
クライシスコアでのキャラクター像
アンジール
アンジールはザックスとっての兄貴分であり、心の師であり、父性を感じる存在。
彼が「剣よりお前の方が大事だ、ほんの少しな」って照れながら言うシーンが良すぎてほんと癒されました。かわいいおじさん(私より若いけどw)
ザックスはアンジールを心から慕っていたから、自分にとどめを刺させたことに戸惑い、怒りと悲しみに葛藤していたけど、最後にアンジールが自我を失ったコピーとなってまで見守ってくれていたことを知ったとき、ザックスが子供みたいに泣いてしまったのは切なかった。
彼は本当にザックスを愛していて、信頼していて、全てを託したんだな。
最後に彼の気持ちを理解できてよかった。
セフィロス
みんなの憧れで、ザックスにとって目標とする人だったセフィロス。
まともな時の彼を「理想の上司」とする評価もあるみたいだけど、部下から「人の面倒見るタイプじゃない」って評されてるし、上司としては全然ダメ。
知性と教養の高さで理想の英雄を演じているだけで、彼の本質は「俺は他の奴らとは違う」と周りを見下すプライドの塊だな~と感じました。
それでもアンジールとジェネシスには気を許していたみたいで、彼にとっての唯一の繋がりが壊れていくのは辛かった。
特にジェネシスからの嫉妬はキツそうだったな。
やはり組織で一人だけ天才だと孤独なだけですね。
あとニブルヘイムの任務はホラーゲームの雰囲気で怖かったな~。
ジェネシス
お前はセフィロスより問題児だぞ。
行動原理がLOVELESS(小説)って意味不明すぎるし、最後まで自分のことしか考えてない男だった。見た目は美しいが全く感情移入できないキャラでした。
でもリンゴをみんなで食べるシーンは純粋な少年の頃の願いを叶えられてよかったと思う。
タークス・ツォン
このゲームをやってみて、はじめてツォンの魅力に気づいた。
私は初代PS版のFF7しかやったことなくて、オリジナル版のツォンって目的の為なら手段を選ばない冷徹な男で全く好きじゃなかったんです。(無声ポリゴンだったしw)
でもCCでは同じ組織に属しているわけですから、仲間目線で見るツォンはかなり魅力的でまいりました。
あと声もいい!イリーナが憧れてたのも納得ですわ。
最後にザックスを心配してたところもみえて、仲間に対しては情が深い男なんだなと感じました。
タークス・シスネ
ザックスの良き理解者で、ちょっと気になる子だったシスネ。
ザックスの前ではクールだけど、実はザックスFC会員で本当は彼のこと好きなんだな~っていうのが見えるのが可愛くて良かった…。でもザックスのエアリスへの気持ちを知ってたから態度に出さなかったんだろうな。(イイ女だよ、ほんと)
この二人の間に恋愛感情はなかったみたいだけど、それは仕事上お互いに機密事項が多いから恋愛関係で面倒にならないようにしていただけで、立場が変われば(少なくともタークスじゃなければ)エアリスよりアリだった気もする…。
あとDMW(戦闘中に回る回想ルーレット)でシスネの「ザックスなら出来る!」っていうので俄然やる気になるザックス可愛かった。(結局お互いアリだったとw)
回想でザックスがシスネを飲みに誘ってるのも良かった。
シンドイ会社あるあるで仲いい同僚誘って飲みに行くのが数少ない癒しなんですよね~。しかもちょっと気になる子とか最高じゃないですか!
そういう二人の日常が垣間見えるのが凄く良かった。
エアリス
アンジールがいなくなって不安定だったザックスの心の支えであり、癒しの存在だったのがエアリス。
関係性としてはシスネより希薄なのに、エアリスに惹かれたのは理屈じゃなくて一目惚れだったんでしょうね。ザックスは言葉に出さなかったけど「ド直球タイプ」ってやつではないかと。
社内で受付嬢ナンパするようなチャラ男のザックスが、わざわざスラムに通ってワゴン作ってあげるとかベタ惚れじゃないの。
あと花が咲くスラムの教会もザックスにとっては任務を忘れられる大切な場所だったと思います。
「もっと一緒にいたいです」
一目ぼれした子からこんなこと伝えられたら堪らないよね…。
でも神羅に捕まっている間に4年も経っていて、89通もの手紙が送られていたことを知った衝撃と、これが最後の手紙だと書かれていたことのショック。
それを知ったザックスの「最後ってなんだよーーー!」っていう咆哮がやるせない…。
クラウド
プレイヤーから見るとさ、クラウドを見捨てて一人で逃げてればザックスは生き延びてエアリスと再会できたと思います。
でもそれをしなかったのは、クラウドにかつての自分自身を重ねてたんだろうな。
子犬みたいに純粋に自分に憧れてくれるクラウドが可愛かったのと、アンジールが自分に向けてくれた愛を誰かに返したかった。
それが自分の中の誇り(自分が正しと思うことをやる)だから…かな。
最後に「俺が守ってきたもの、お前に全部やる」ってクラウドに渡せるって潔すぎるよね…。それもアンジールの背中を見てたから出来たことだと思うけどね。
クラウドは偉大な二人の男の愛と誇りを継承したんだよね、しっかりしてくれよ。
ザックスのこと
本当はずっと堪えて頑張っていた
どんなミッションも自信満々で「楽勝!」とやってのけるザックスだけど、バノーラ村のラストダンジョンで「俺に何が出来る…」ってつぶやいてたのは忘れられないですね。初めて彼が弱気を見せた瞬間だったと思います。
尊敬するアンジールや、超えられない壁だと思ってたセフィロスを失い、神羅に追われながら植物状態のクラウドを引き連れて、正気を失っているジェネシスとの決着、それを全部一人でって重すぎる…。
本当は「ちゃんと出来るかな、大丈夫かなって」いつも不安だったけど、表に出さなかっただけだったんだな。
ザックスはずっと頑張っていた。偉かった…!
夢を抱きしめろ、どんな時もソルジャーの誇りを手放すな
ザックスの夢は英雄になること。
でも神羅という巨大利権で戦争を巻き起こすような組織に属し、誇り(自分が正しいと信じれること)を持ったまま英雄になることは不可能だったと思う。
でもザックスはどちらも手放したくなかった。
自分が理想とする英雄となって自分を誇りに思いたかったから、クラウドを見捨てて一人で逃げることも、タークスに頼って生き残ることもせず(自分は助かってもクラウドは実験に使われる)死に続くと分かっても自分の道を行くしかなかった。
彼は彼の思う「誇り高き英雄」をやりきったと思います。
EDの回想
「自由の代償」神羅軍とのラストバトル
彼の最後はね…わかってたんだけどね…。実際やると本当に辛かった。
DMWが壊れて、タークスやソルジャーの同期のこと、セフィロスやジェネシスのこと、アンジールやクラウド、エアリスのことを色々思い出すけど、絵が揃わなくて技も出ないし、最後はふらふらで剣も振るえなくて全然当たらなくなって、最後エアリスの絵だけが揃いそうで揃わないのよ…。
彼が最後まで思っていたのはエアリスで、生きることを諦めずに会いにいきたかったのが伝わってきた。
会わせてあげたかったよ…。ずっと彼と一緒に旅してたから悲しかった。
自由の代償
CCの曲って最初はザックスらしい調子のいいロック調なんだけど、後半になるほどずっと悲しい曲なんだよ~。
そして神羅軍との戦いでかかる曲が悲しすぎて…これ無理なやつやん…てなる。
なんかレオンの主題歌「shape of my heart」に似てるな~と思いました。
ちょっと90年代初期の昭和と平成のはざまの感じというか、戦いに疲れ切った男で溢れていた時代感を感じさせる曲だと思います。(私もさすがに子供だったけどさw)
ギターの物悲しい感じとか特に響きますね。
ザックスはずっと無理して明るくふるまって頑張ってたからさ、自由の代償での曲は、本当にぼろぼろに疲れ切った男の曲だと感じます。
天使の羽とアンジール
「その翼、俺にもくれよ…」からのアンジールが空から迎えに来てくれるのすごい良かった。アンジールはずっとずっとザックスのこと見守ってたんだな~。
「よく頑張った!」って言ってあげたのかな。
そしてザックスも天使になって、よろつきながら歩くクラウドを見送りながら、「エアリスに会ったらよろしくな」って最後までエアリスのこと想って託すのエモかった…。
「俺、英雄になれたかな…」
この言葉は誰に向けていったのかな…?
まあ、多分自分自身…だよね。
「ちゃんと出来たかな?出来たよな…!」って、自分の人生を振りかえった総評をしたんだと思います。
だから思い残すことなく天使になれたんだと。
EDで流れる絢香のWhyが良すぎて…
この曲もめちゃくちゃ良くて、CCの最後を美しくまとめ上げてました!
「Why」の歌詞をみると、「言葉にするのが下手なあなた」っていうのはクラウドのことで、「自由な人」は、ザックスを思い出してるような、クラウドの中にザックスを見ているエアリスの目線から謳われているな~と感じました。
ザックスの物語は終わってしまったけど、ザックスの夢を引き継いだクラウドの歌だから、CCの最後が本編に繋がっていますよっていうメッセージでもありますね。
瞳の奥がぼやけて見えない
心の底の 気持ちはあるの?世界の全てを手にしたとしても
それがあなたの幸せなの?Why 孤独な空を見上げるの?
Why 笑って見せてよ
言葉にするのが下手な
あなたの性格わかるから遠い昔に何があったの?
視線をそらす あなたの瞳に一人でさみしい夜に抱きしめられる
そんな温かさ知ってる?Why どうして形にこだわるの?
Why 心を開いて
大きな荷物を背負った
あなたを受け入れられる力
あるわ 信じてみて…自由な人は不器用で…
自由な人は不安で…Why 孤独な空を見上げるの?
Why 笑って見せてよ
言葉にするのが下手な
あなたの性格わかるから
信じてみて
ストーリーについて
クライシスコアは運命を切り開いたり謎を解くものじゃなく、あくまで回想メイン。
またザックスの視点のみで描かれていることもあって、ゲームプレイだけではよく分からないことが多く、特にジェネシスの思考回路が意味不明すぎて戸惑いました。
アンジールの心理描写も不十分で途中まで何が起こってるのか本当に分からなかった。
でもゲームをやればやる程ザックスがどんどん好きになるし、みんながザックスを好きな理由も分かりました。こんなに彼の事好きにさせておいて失うと分かってプレイするのは辛かったな…。
あとは、CCと本編FFはどういう順番でプレイするかで印象が相当変わると思います。先にCCやって本編やったら壮大なネタバレすぎて色々おかしくなりますね(^^;)
片翼の意味
アンジール、ジェネシス、セフィロスの象徴として片翼が描かれています。
何のためにわざわざ片翼にしたのかはっきりしていませんが、デザイン的な要素の他に彼らの置かれている立場や内面を表現していると思われます。
本来自然の動物も飛行機も片翼では飛べません。それでも彼らが飛べるのは「不自然に作られた異形の存在」としての表現だからでしょう。
また作中シスネが「翼は自由の象徴だ」と言っていましたが、「自由を求めている」っていうことは、不自由であることであり、さらに片翼をもがれているのだから彼らは思うように飛べないのです。
物理的に自由じゃないという意味ではなく、心が自由でないんです。
つまり「どれだけ恵まれた才能があっても、心が縛られていて自由に生きれない」ということを表しているのかなと思います。
そして彼らの翼のデザインや色もそれぞれの心根を表していると思います。
アンジールの天使のような白い翼は慈愛と希望の象徴。
ジェネシスとセフィロスの黒い翼、(※CC内では翼はありませんが本編では黒い翼が生えています。)これば絶望の象徴ですね。特にジェネシスの悪魔のように歪にゆがんだ翼は彼の心の歪みを表していると思います。
またセフィロスは本編でのラストバトルで天使界でも最高位の存在であるセラフィムをモデルとした異形の存在として描かれています。
彼はもう色々吹っ切れたんでしょうw
世界に与える影響
この物語をプレイする合間に何故か戦争系の動画を見ることが多かったんです。
特に特攻隊の家族への手紙。
彼らは海外の歴史では狂信者みたいな感じに伝わってますが、誰もがこんなの間違ってるって分かっていても、そうせざるをえない状況や逃げられない立場があって、「守らないといけない人がいる、国がある」と言い聞かせて、大事な人を想って、自分の人生を想って、飛び立っていったんだよね…。
みんな若い青年だったから母親や恋人や妻に向けた気持ちが大きかったみたいで、自分自身の人生の不運よりも愛する女性を想っていたのが手紙から伝わってきて切なくなります。
このゲームが世界中の人にプレイされることで「他者を想う気持ち」が広がっていくんだろうな…って思います。
男にとっての愛する人の存在
この物語をみて思ったのは、自分以外に愛する人がいた人(アンジール・ザックス)は自分の道を生きることができて、自分しか愛せなかった人(ジェネシス・セフィロス)は絶望しか見えなかった。
男は誇り…というより愛を表現することが大事だなと思いました。
最後に
EDの回想で真剣な顔からニコってするとこ超すき…(T▽T)
本当にザックスはいい男だった。
みんなに愛されてた。あの冷徹なツォンからでさえw
みんなの愛する人、ありがとう。
これから仕事忙しくなりそうなので、終わったらPS5買っちゃうかも…!