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【未経験・素人向け】デザイナーのなりかた・デザインの勉強方法②

こんにちは!ナノムーンです。

今回は「デザインの勉強のコツ」、「テクニックよりも大事なこと」をお伝えしたいと思います。

前半は未経験者には役立つと思いますが、後半は個人の意見なので、「一応見とくか」程度でOKですよ(^^)

 

前回の記事はこちら

hontonokoto.hatenablog.com

 

 

 

デザインの勉強のコツ【基礎編】

細かいテクニック集みたいな本を読んでも、実務では殆ど使いません。(使えたら便利という程度)細かい表現やアイコンは殆どDL素材で賄うので、実務では自作する時間がないというのがリアルです。

初心者が実務で必要なのは、テクニックより媒体別の制作基準(レギュレーション)を理解しているかどうかです。

例えば印刷とWEBでは、最低フォントサイズ、色の指定、画像解像度、などレギュレーションが全く異なります。

印刷なら、フォント・解像度・カラー設定の知識がないと印刷工程で事故が起こりやすく、何百万単位の損失が出る可能性があります。(未経験フリーランスをお勧めしない理由の一つです)

WEBデザインならコーディングに最適なデザインデータを作れるかどうかも問われます。(一般的にイラレで長いLPを作ると嫌われますし、XDやFigmaでマージンをきっちり計算しながら作られたデータは喜ばれます)

最低限の基準を知らないまま見習いで会社に入ったり、フリーランスとして案件を激安で受注できても、辛い思いをすると思います。

実務を知らないと制作基準自体を知ることが難しいので、未経験者なら社会人スクールぐらいは行った方がいいですね。

 

デザインの勉強のコツ【応用編】

最低限のソフト操作と媒体別の制作基準を勉強したら、次はフォントの扱い、色彩心理学、レイアウトの勉強、写真加工をいかに素早くするか、ということを勉強するといいと思います。

フォントの扱いは、フォントの種類はもちろん、文字のジャンプ率(比率)、縦書き横書きのレイアウトについてのアイデアのストックを持っておくと良いです。

色彩心理学については、最低限の知識で良いです。(赤はどうだ、青はどうだ、女性向けで流行っているのはどうだ程度でOK)

写真加工は、レベル補正、トーンカーブ、きれいな切り抜きが素早く出来たら、とりあえず実務ではOKです。

レイアウトの勉強は、正解が無いので実務を積むしかないですが、黄金比のような規則的な概念は、再現性高くて役に立つと思います。

 

~ここからは個人の意見~
テクニックよりも大事なこと

デザインに正解は無いですが、「正解を提案する」のがデザイナーの仕事です。

お客さんはそれを求めているので、正解を提案が出来る人が勝ち残ります。

それは美容師や工務店と一緒です。

正解が分からない客側としては「可愛く、いい感じにしてください!」ぐらいしか言えないけど、「この髪質だったらパーマのが扱いやすいよ」とか、「暖色系が似合うからピンク入れてみる?」とか提案されたら嬉しいし、それが似合えば「この人信用できる!」となりますよね。それと一緒なんです。

なので、お客さんは何をどのように伝えたくて、その伝えたい相手はどういうニーズをもっている人だろうか。どういう表現をすれば効果的にスムーズに伝わるだろうか、ということを考えて、ビジュアルで提案できることが「正解を提案する」ってことだと思います。

「正解提案の参考書」商業デザインを目指すならおすすめ!

 

デザイナーに向いている人、向いていない人

デザイナーって感覚的な仕事と思いきや、極めて左脳的な職業です。

主に、「理解する」「確認する」「提案する」という、コミュニケーションをとりながら考えることが主軸で、デザインソフトでやることは、あくまで作業です。

作業するにも情報が纏まっていないと始まりませんが、まとまった情報が来ることは、ほぼ無いです。

実務では、何もまとまってない内容をチャットでサクッと説明されて「なる早でよろしく!」って感じなので、デザイナーの仕事はブラック化しやすいのです。(エスパーちゃうっちゅーねん!)

例えば、本格的なデザイン作業に入る前に断片的な情報を整理し、足りない情報を自分で調べて仮説を立て、確認用の簡単なラフを作り、ダメもとで「こういうことですか?」って聞く作業が入ります。

はっきり言って、面倒くさいです(笑)

受注業務である以上は、これをやらなくていいデザイナーはいないと思います。

いかなる状況でも「情報整理と問題解決の提案」が出来る人に仕事が集まるので、そういういう人は独立しても仕事が集まります。

技術面は先輩からも教えてもらえますが、質問力・説得力・問題解決能力は、誰にも教えてもらえないので、自分で磨く必要があります。

この能力を磨くには、仕事が出来て人に好かれてる営業さんと仲良くするのがいいですね。独立して上手くいくのは、結局優秀な営業だと実感しています。

 

今後のデザイナーの仕事とAIとの関係

上記で書いた通りデザインは極めて左脳的な仕事であり、特に技術や手法としては今後5~10年で限界に達し、それ以降は人力では表現できないことをAIが対応するようになると思います。

具体的には「Midjourney」とか、「Microsoft Designer」とか、AIによるデザインサービスが続々出てきてます。

これらが10年間進化を続けたら、人間の作業者は「よっぽど」じゃないと使わなくなると思います。

話題の「Apple Vision Pro」などの高品質なVRゴーグルが一般に落ちてきたら、広告や販促の形態も変わるだろうし、時間とお金の都合で人力では間に合わなくなると思うんですよね(^^;)

今ニーズがある、バナー量産型の仕事は間違いなくAIに成り代わります。

特にWEBデザインは、AIと融合した仕事になることは間違いないでしょう。

じゃあ、デザインの勉強は意味ないかというと、そうではありません。

デザイン業務でAIを効率的に使えるのは、上記の「提案できるデザイナー」だと思うからです。

 

人間にしか出来ないデザイン表現とは

AIに出来ない仕事として、面白さを粘り強く検討する「しつこさ」は重要になってくると思います。

例えば、USJを再建させた森岡毅さんとか、任天堂宮本茂さんなどの開発ディレクターレベルの人達って、凄いしつこさを持っていると思うんです。

「子供の頃のあの空気感を体験させたい!」とか「狩猟民族に戻ったらどうだ!?」とか、これやったら面白いんじゃないかという飽くなき探求心。

この「しつこさ」は、機械には出来ないと思います。

こういう人って「もっとあげたい、与えたい」っていう究極のギバー(与える人)だと思うんですよね。

「彼らは特別な天才だから」って怖気づく必要はなくて、今後AIが左脳の仕事を全部やってくれるとしたら、みんな究極のギバーに向かうんじゃないかな(^^)

10年後を見越してホワイトカラーの仕事を目指すなら、「与えることを恐れない、安心感に満ちた人間」が残ると思うので、技術や手法に捕らわれず、精神面での成長は目指した方がいいですね。

 

あくまで個人の考えなので、これが正解ではないです。

私は「テクニックよりも大事なことがある」と書きましたが、テクニックを極めて講師になったり、技術を本として売るのもキャリアの一つです。

しかし、AI技術が出来てしまった現状、大きく影響を受ける業種であることは間違いないので、その辺りは考慮した方がいいですね。

ここまで書いといてなんですが、私は昨年会社を辞めて、現役WEBデザイナーとは言い難い現状です。もうバリバリのデザイナーとしては戻れないと思うので、備忘録として書きました(^^;)

私の時代のデザイン業界は苦労が多くて、とてもおすすめ出来る仕事ではありませんでしたが、今の時代はPCのスペックが上がったことに加えて、AIによって面倒な作業が無くなっていくことを考えると、苦労せずに楽しみとやりがいのある仕事になっていく可能性があります。

ですが、現状は大手代理店が牛耳っている業界であり、ハイスピードで高いクオリティ求められます。

未経験者が楽に稼げる仕事ではないので、前回の記事を参考にして詐欺みたいなスクールで大損しないように気を付けてください。

ではまた~!

 

 

 

前回の記事はこちら。

hontonokoto.hatenablog.com