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鋼の錬金術師に学ぶ、エゴと真理の対話

鋼の錬金術を久々に見直しました。
ラスボスである、フラスコの中の小人・ホムンクルスの最後が衝撃的だったので、自分用にメモ。

63話 扉の向こう側

真理との対話「ホムンクルス編」

ホムンクルス「私は知りたかった、この世の全てを。
        何も縛られず自由に広い世界を。」

エドとの戦いで腹に大穴を開けられ、真理の力に飲み込まれるホムンクルス
分不相応な力を無理やり手に入れた代価を彼は支払わなければならなくなった。

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ホムンクルス「なぜだなぜ私の物にならない、神よ何が気に入らないのだ。」 

 

 そして現れるホムンクルスの影。

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真理の影:お前は、自分を信じないからだ。
他人の力を盗み、人から生まれた者のくせに、神とやらにしがみついていただけだ。」 

ホムンクルス「欲して何が悪い!?何だお前は!?何様のつもりだ!?」

真理の影:「私はお前達が神と呼ぶ存在。あるいは宇宙、あるいは真理、そして、私はお前だ。思い上がらぬよう正しい絶望を与えるのが真理。」

 

過去、ホムンクルスが人間に対して放った言葉が反芻する。

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過去のホムンクルス「人間が思い上がらぬよう、正しい絶望を与える。それが正しい真理だ。」

真理の影:「だから、お前にも絶望を与えよう。」 

 

そして、扉の向こうの無数の影に飲み込まれるホムンクルス

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ホムンクルス「嫌だ!私はどうすれば良かったのだ!」

真理の影:「思い上がったものに絶望を、お前が望んだ結末だ。お前はその答えを見ていただろうに。」

 

真理との対話「エドワード・エルリック編」

ホムンクルスとの戦いで絶体絶命のエドを助けるため、自らの魂を代価に兄の右腕を錬成し、この世から消えてしまった弟アルフォンス。

戦いには勝利したが、弟を取り戻すにはそれ相応の代価を支払わなければならない。
エドは、決心し、真理の扉を開く。

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真理の影:「弟を連れ戻しにきたか?代価は?」 

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エド「代価ならここにあるだろ?これは俺の真理の扉だ、どう使おうが俺の自由だ。」 

真理の影:「いいのか?真理の扉を失えば、2度と錬金術を使えなくなるぞ?」

エド「おかけで踊らされたよ、錬金術で全て解決できると思っていた。それは間違いだった、ただの傲慢だ。」 

真理の影:錬金術も使えないただの人間に成り下がるのか?いいんだな?それがなくても!」

エド「成り下がるも何も最初からただの人間だ。ちっぽけな人間だ。錬金術がなくてもみんながいる!」

真理の影:「正解だ!錬金術師!持って行け全てを!」

 

自らの真理の扉を代価に最後の錬金術を成すエド
そして影は消え、その向こうに現れたのは、弟アルフォンスの姿。

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兄弟は、みんなが待つ元の世界へと帰っていった。

対極的な二者の対話、それぞれが、それぞれの決めた真理の通りになった。

本当の願いと信念

ホムンクルスは願った、全てが欲しいと。その為の力が欲しいと。

かつての彼の願いである、フラスコの中から出られる身になれば幸せ、という小さな願いも忘れて、弱さゆえの強欲に飲まれてしまった。

全てを統べる力を手に入れた彼は、自分以外は全て愚かで弱く、思い上がるなら罰を与えるべきだと信じた。

そして、思い上がった己自身が絶望という罰を受けることになった。

エドは決めた、自分が本当に大切にしたいものは、一線を画す力ではなく、
自分を待ってくれる人達との人生だと、それが自分の幸せだと。

自分は弱く儚い人間だ、だからこそ支えてくれる人の存在が愛おしく思えるし、大切にしたいと願った。

そう決めた彼はその通りの結果を手にした。

完璧すぎる結末でした…

 

旧版は見る人選ぶので、間違えないように!

旧版の「鋼の錬金術師」は音楽とかダークな世界観は素晴らしいですが、制作時に原作に追いついてしまった為に物語がアニオリに振り切ってしまい、かなりダークで救いのない展開が多く、ラストが原作とかけ離れてしまっています。

こちらは別次元のハガレンですので、ダーク好きや色んなパラレルワールドハガレンが見たい人向けですかね。

 

アニメで見るなら、2006年版の鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTが断然おすすめ。原作に忠実であり、美しく完璧に作り上げられています!

見終わった後の爽快感が半端ない!お見事です

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いや、表紙カッコ良すぎやろ…すべてを乗り越えて成長した男の顔~!
みんなが幸せになって良かったよ~!

 

 

個人的感想:自己愛性人格障害に苦しめられて学んだこと

こうしてみると、ホムンクルス自己愛性人格障害の本質だと思える。自分だけでは何もできないくせに、他人の力を盗んで力を得て自分以外を愚か者だと勘違いしている。

私も踊らされていた。仕事さえ出来れば、何も手出しはしてこないと思っていた。

表立って責められない分、裏から手を回して人格破壊を試みる腐った手口に絶望と怒りを感じて、うっかり支配されていた。

苦しいことが起こり、人のせい、環境のせいにしている時、解決の方法は見つからなかった。そうなった原因も見えない。

苦しみの原因は、たった一つ。

真理の影:お前は、自分を信じないからだ。」

また、仕事さえできればいいと思い上がっていたのかもしれない。

一緒に仕事をしていく中で、この人生そのものの中で、本当に願うことは何だったんだろう。

能力を認められて、それなりの地位に就くこと?特別扱いされること?その先は?

それは、勝手に嫉妬して邪魔してくる奴を薙ぎ払う為に求めたことで、私の本当の願いじゃない。本当の喜びじゃない。

自分勝手に湧いた悪意や怒りをぶつけられて傷ついたし、悲しかった。
やり返したいと思うし、罰が当たって破滅すればいいと思う。

 

でも本当は、みんなと、いろんな人と仲良くしたい。
愛と喜びを感じて、明るい気持ちで日々を生きたい。

気持ちが良いコミュニケーションを取って、明るく笑って過ごしたい。

何を得たいかじゃなくて、そう在りたい。それが心地良いから。