この漫画、マジで良すぎる
『九龍ジェネリックロマンス』(クーロンジェネリックロマンス)
眉月じゅんによる日本の漫画。 『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2019年49号より連載中。(週刊ヤングジャンプ公式サイトより引用)
絵柄が古いということなかれ、そこがまたいい味出すんだよ…
あらすじ
舞台は東洋の魔窟九龍城砦。ノスタルジー溢れる人々が暮らし、街並みに過去・現在・未来が交差するディストピアで暮らす人々の物語。
しかし、九龍城砦はすでに取り壊されてこの世に存在しない。
その幻に生きる人たちと、現実の狭間に取り残されて日常ごっこをしている人がいる。そんな彼らを訝しげに探る人たちもいる。
三者三葉の思惑が交錯しながらも、ちゃんと恋愛もしているという摩訶不思議すぎる物語。
そこで働く、30代OLの同僚への恋心と、それを受け入れられないのに拒否することもできない訳あり男と、香港の熱気と湿気、古今東西・新旧ごった煮の雑然としつつも、どこか懐かしい感じ。
夏のけだるさと、大人のけだるさが相まって、エモすぎる漫画です。
二人の主人公の関係が良い
主人公は、鯨井 令子(くじらい れいこ)32歳女性。
九龍城砦の不動産会社支社に勤めている。スイカを食べたあとにタバコを吸うのが好き。同僚の工藤(34歳男性)に想いを寄せている。
工藤は基本的にサバサバした体育会系のTHE営業マンという人柄だが、鯨井に対してだけは妙な距離感で接する。(まったく気のないようなそぶりを見せて、時に切ない表情を見せたり…)
最初は「おい工藤!はっきりしろ!」と思っていたが、この主人公の鯨井ちゃんの謎が深すぎて…!最終的には、工藤が切なくて、かわいそうで、辛くなる…!
なんなんだこの男!良すぎる…!
世界観が良い!
まず、舞台が今は無き廃墟好きの桃源郷「九龍城砦」であるところが良すぎます!
(naver.jpネットより)
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)は、現在の香港・九龍の九龍城地区に造られた城塞、またはその跡地に建てられていた巨大なスラム街を指す呼称。1993年から1994年にかけて取り壊し工事が行われ、現在は九龍寨城公園 (Kowloon Walled City Park) となっている。(ウィキより抜粋)
クーロンというのは、日本独特の読み方であり何語でもないです。中国語で読むなら(gau2 lung4 sing4 zaai6)日本で読むならそのまんま「きゅうりゅうじょうさい」と読むのが正しいようです。
2000年頃に空前の廃墟ブームがありまして、そのころに「軍艦島」と同じくして注目を集めたのが「九龍城砦」でした。その頃にはすでに取り壊されていましたが、巨大な違法建築の中に暮らす人々、更には店舗や施設、学校、自警団までもがセットになった巨大都市として機能していたことが、当時の廃墟好きをはじめサイバーパンク好きの心までを鷲掴みにした幻の観光スポットなのです。
そんな九龍城についての写真集や小説は数あれど、漫画って中々ないんじゃないでしょうか?
中国がまだ発展途上国であったころに取り壊されていることもあり、資料が少ないので、かなり描写が難しいのだと思います。
PSソフトで「クーロンズゲート」という作品がありますが、どえらいプレミア価格に
夏のけだるさが良い!
この夏のけだるさと、大人のどっちつかずな恋愛のじれったさって、めちゃくちゃ懐かしい気持ちになっていいんですよね~。
絶賛恋愛中の方にも、この社内恋愛感、良すぎると思います!
主人公の私生活がめちゃくちゃいい
鯨井が毎朝ベランダでタバコ吸いながらスイカ食べるシーンが好きすぎて辛いです。
なんだ、このお洒落なモーニングルーティン。
狭い家だけど整っていて、古い家だけど可愛い。
なんか懐かしいような、切ないような、うらやましいような。
(実際の香港でこの間取りの家に住むのって結構高いと思いますが…)
ストーリーが謎過ぎて気になる!
あんまりネタバレはせずに読んで欲しい漫画ですが、舞台の「九龍城砦」は漫画上でも事実上、解体されています。
それなのに舞台はそこで暮らす人々の日常です。
ラブストーリーかと思いきや、サスペンスホラーなんですよ。
ちょっとSIREN味あるでしょ?
鯨井 令子は屍人なのか、どうなのかってとこが気になるところです。
因みに工藤は屍人ではないです(今のところ)
鯨井と工藤のもどかしい関係と、この場所が何のなのかを調査するガチ勢力の物語と交差するのが面白いところなんですよ!
廃墟の退廃的な美しさや、恐ろしさ、おぞましさが好きで、夏が好きな人ならきっとハマると思います!
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